ごみと不用品の取捨選択

ベルギーでは高速道路を洪水で出たごみの集積場に!その理由とは?

ベルギーでは高速道路を洪水で出たごみの集積場に2021年9月中旬、アメリカに本部を置く世界最大手の通信社が、ベルギー東部のリエージュという都市で大量のごみが高速道路に廃棄されている光景を記事として配信しました。

収集運搬車などの関係車両が通行できるスペースを残し、約8kmにわたって廃棄されている家具や家電製品、カーテン、建材などのごみは、すべて2021年7月にベルギーを襲った大洪水によって発生したものです。

ベルギーでもごみは集積場やリサイクル施設などに運搬されるのが一般的ですが、洪水の被害が甚大だったために発生するごみの量も膨大で、当地でごみ処理サービスを行う組合の所有施設ではすぐに処理能力が限界に達したため、やむを得ず既に閉鎖済みの高速道路を臨時の集積場として使用しています。


その理由とは

リエージュのごみ処理サービスを担っている組合では、洪水で発生したごみのうちの約16万トンを3箇所の臨時集積場に集める方針をとりました。高速道路はその3箇所の集積場のうちの1つで、対象となっているごみの量の半分超にあたる約9万トンが集められています。

ごみ処理サービス組合では、集められているごみのうちの最大で6割をリサイクルの対象にし、残りをすべて焼却によって処分する計画を立てていますが、ごみの量があまりにも膨大であるため、全ての処理が完了するまでには少なくとも9ヶ月、2022年半ばまではかかるという見通しを表明しています。

ヨーロッパでは2021年7月中旬以降、記録的な大雨により複数の河川の流域で洪水が発生し、ベルギーやオーストリア、ドイツ、イタリアなど複数の国で被害が出ました。

ベルギーは特に大きな被害を受けた国の一つで、リエージュの域内では7月の1ヶ月間の平均降水量の3倍に相当する量の雨が降る所があり、これが住宅や農地、インフラ、鉄道網など広範囲にわたって甚大な被害を発生させる要因となりました。
ベルギーを含む洪水の被害を受けた国では、科学者や政治家などから地球温暖化などの気候変動との関連が指摘されています。